愚痴ってみようか。　レシピの憂き音

恥ずかしながら、お弟子さんみたいな人がいるのだが、あまりデキがよくないので（いろんな意味で）、正直こまっている。
年上で同性つーこともあってなかなか難しい面もあるし。

先日、撮影のお仕事があったので、助手をやってもらったのだが、撮影後の料理を試食し、何を言い出すのかと思ったら
「これとってもおいしいです！ぜひ教えて下さい！」
や、さっきボクが作ってたの見てたでしょ？
食材や調味料にしてもすべてわかってるでしょ？

で、いま味見もしたわけで。
その舌の記憶をたどって、トライしたらいいじゃないかとオモウわけです。
なので、ボクはちょっと突き放して
「それは自主学習の範疇ですよ」

「。。じゃぁじゃぁせめてレシピだけでも下さい！」
こいつは教えてもらわんと前に進めんのか。
自分の進む道だろう・・。
ゲンナリもし、ちょっとイラっときたけど、とりあえずレシピだけわたしてその日は別れた。

それで昨日だ。
やってくるなり彼女「こないだのレシピ自分のモノにしました！」

ほ〜〜〜〜〜
「あの料理をレシピに沿って作ったの？」

「もちろんそ〜ですよ〜〜。もうあのレシピは完璧です。もう大丈夫です。悟りました！」
などと言うもんですから
ボクはこう聞きました
「じゃあ　あのレシピを書いた季節わかる？」

「え？。。」

案の定わかってない。

あのね、あの料理キャベツ多いじゃない？キャベツって年中同じ味？
キャベツの量。その他の食材の量。調味料。全部同じ分量で年中同じ味だせるの？
また同じ味で冬でも夏でも同じようにおいしく食べられる？

レシピを参考にして、その料理を極める。
こう言えば立派だと思いますわ。
でもレシピの一つ一つに疑問を感じなければ、大さじ一杯の文字に疑いの目を向けなければプロじゃないとオモウ。
そっくりそのまま作るなんて誰だってできる。そりゃ技量も必要でしょうけど、大抵のレシピは厨房じゃなくて家庭の台所を想定して書かれている。技量をそれほど求めていない。求めるほど火力もないのだから家庭では知恵で火力や技量を補うのだ。
・・ちょっと横道にそれたけど、レシピなんて不思議だらけだよ。なんですべての食材がピッタリとした数値なの？ぶた肉100g、ニンジン2本、たまねぎ3個、、、そんなピッタリした分量での組み合わせがベストなわけ？　違うでしょ。レシピを書く上でベターなだけでベストじゃない。レシピを鵜呑みにするな。
結局は自分の舌で確認していかなきゃいけないんだ。

こういうコトがわからん人がプロを目指すと言うのだから、やはりレシピなんて見せるんじゃなかった。
経験が乏しいのだから舌と頭をフル回転させて苦労させなきゃいけないんだよね。
安易にラクを与えて遠回りさせてちゃ世話ないわ。反省。